丸鶏のさばき方:手引書(ステップバイステップ ガイド)
丸鶏をさばくことは、家族全員の食事や1人分の食事を準備する際に、最もコストパの良い方法です。丸鶏は1kgあたり約150円で販売されていることが多く、1羽で約1500円ほどです。これにより、経済的な選択となり、家族の食事や、数日分の食材を準備することができます。ローストチキン1羽で家族全員の食事をまかえるし、カップルなら数回分の食事、一人暮らしなら1週間分の食事を用意できます。
しかし、丸ごと焼く予定が無い時、部位ごとにさばいて調理しなければなりません。たとえば、胸肉をグリル用や、もも肉&下もも(ドラムスティックとも呼ばれる箇所)を煮込も用など、部位ごとを活用するのも楽しみです。。
なぜご自身で丸鶏をさばくのか?
- 勿論一番はお財布に優しい: 部位ごとに買うより丸鶏を購入したほうが安く済みます。多くの肉屋では、丸鶏をさばいてくれますが、自分でさばくことでさらにお財布に◎。
- 食材を最大限に活かす: 鶏の肉だけでなく、鶏骨からも出汁を取れるので、無駄なく使い切ることが最高にサスティナブル。
- 料理の腕を磨く: 自分自身で鶏をさばければ、料理の技術が向上し、無駄を減らすことができます。これは持続可能な食生活にとっても良い選択です。
道具
- 鋭いシェフナイフ: 関節を切り離す作業に向いてる。
- キッチンばさみ: 特に背骨を取り除く際に役立ちます。
- まな板: 大きめのプラスチックやアクリル製のまな板を使うと、後片付けが簡単で生肉の汚染を防げます。
鶏の下準備
- 内臓を取り出す: 鶏の体内から鶏の首、心臓などの内臓を取り出します。これらはだしやグレービー(gravy)に使うこともできますし、使わない場合は捨てても構いません。
- 鶏を洗い、水気を取る: 鶏の内側と外側をよく洗い、キッチンペーパーでしっかり水分を拭き取ります。これにより、鶏肉が滑りにくくなり、取り扱いしやすくなる。
丸鶏のさばき方(捌き方)
配置: まな板の上に鶏を置き、胸を上に、ももを調理する人の手前に向けて置いてください。
足を切り離す:
- 足を体から引き離し、体の間との皮も切ります。
- 足をまな板に向かって曲げる、ももの骨がソケットから外れるまで押し下げます。
- 関節にナイフを入れ、そのまま切り離して脚を分けます。反対側の脚も同じようにします。
ドラムスティック(下もも)と、もも肉を分ける:
- 足の部分を皮を下にして置き、ドラムスティックともも肉の間にある脂肪のラインに沿って切ります。このラインに沿ってナイフを入れると、自然に関節が切れます。
- 反対側も同じようにします。
手羽を切り離す:
- 鶏を横に倒し、手羽を体から引き離します。
- 手羽の関節を確認し、その周囲の皮を切り、関節を通して手羽を切り離します。
- 必要に応じて、キッチンばさみで手羽の先端をカットし、だし用に保存します。(お好みで手羽元、手羽中、手羽先で分ける)
背骨を切り離す:
- 鶏胸が下になるようにひっくり返します。
- キッチンばさみを使い、尾の部分から手羽の関節にかけて斜めに走る脂肪のラインに沿って、肋骨を切り取ります。
- 反対側も同じようにし、背骨を取り外して出汁用に保存します。
胸肉を切り取る:
- 骨付き胸肉ゲットしたい場合、胸が下向きのまま、胸骨をまっすぐ下に切り、2つの半分に分けます。
- 骨なし胸肉が欲しい場合、鶏を胸が上を向くように置き、胸の間の皮に浅く切り込みを入れます。軟骨の左側にナイフを差し込み、肉を引き離しながらナイフで骨から切り離していきます。反対側も同じようにします。
鶏ガラで作るチキンストック(鶏がらスープのもと、チキンブイヨンとも言います)
背骨、胸骨、手羽先、鶏首は、旨味の詰まったチキンストックを作るのに最適です。自家製の出汁は、買ったものよりもはるかに風味豊かで、簡単に作ることができます。
- 材料を揃い: 背骨、胸骨、手羽先、鶏首、余った皮や切れ端を大きな鍋に入れます。
- 香味野菜を加える: 玉葱、にんじん、セロリ、大蒜、胡椒、タイムやローリエなどのハーブを加えて、風味を豊かにします。
- 煮込み: 冷水を注ぎ、火にかけて沸騰させます。沸騰したら弱火にし、アクを取り除きながら約90分煮込みます。
- 濾す: 終わったら、さらし布(チーズクロスとも言います)を敷いたザルでこし、固形物を捨てます。冷蔵庫で最大5日間保存でき、長期保存する場合は冷凍でお願いします。
鶏肉の保存方法
すぐに使わない場合は、切り分けた鶏肉を冷凍保存できます。それぞれの部位を個別にラップで包み、冷凍保存袋に入れて保存しましょう。袋には日付を記入をお忘れなく!冷凍庫なら最大6か月保存可能で、背骨や手羽先などの出汁用の部位も同様に保存できます。
参考資料:
- USDAのガイドラインでは、鶏肉の部位は最大9か月間冷凍保存が可能ですが、最高の品質を保つためには3〜6か月以内に使用することが推奨されています。
- Cook's IllustratedやSerious Eatsも、自家製チキンストックの利点として、風味をコントロールでき、食材の無駄を減らせることを強調しています。
丸鶏をさばく技術を身につけることで、コストを節約できるだけでなく、食材を余すことなく活用できます。さらに、手作りのチキンストックが、あなたの料理スキルにさらなる深みをもたらします。